数学 貫太郎ノート 2019/01/17

鈴木貫太郎さんの動画の内容をノートします。(昨日の分。飲み会だったので・・・)

今日は数列の問題ですね。


鹿児島大(医他)数列の和 高校数学

 

問題:

\displaystyle \sum_{k=1}^{n} \frac{2k-1}{2^k}

この数列の和を求めよ。

 

数列の和を求めろとは。長年数学から離れてきたから、上のようなきれいな形で書き表されているものにこれ以上何をしろと言うんだ、と思ってしまった。もしこれがプログラミングだったら、単純に繰り返し文で足し算するところなんだけど。シグマを使わない簡単な形式で書き表せということなんだね。

 

というわけで、まずはこの式を数列の和の形で書き表す。

\displaystyle S_{n}=\frac{1}{2}+\frac{3}{2^2}+\frac{5}{2^3}+\frac{7}{2^4}+・・・+\frac{2n-1}{2^{n}}

ここで両辺を \frac{1}{2}倍してあげると、良いことが起きる。

\displaystyle \frac{1}{2}S_{n}=\frac{1}{2^2}+\frac{3}{2^3}+\frac{5}{2^4}+・・・+\frac{2n-1}{2^{n+1}}

上の二つの式を比べると、分子が異なるが分母が同じ項が存在しているので、引き算してあげれば大幅に簡単に書けるでしょう、ということ(よく思いつくよなこんなこと)。というわけで引き算すると、

\displaystyle \frac{1}{2}S_{n}=\frac{1}{2}+\lgroup \frac{2}{2^2}+\frac{2}{2^3}+\frac{2}{2^4}+・・・+\frac{2}{2^n} \rgroup-\frac{2n-1}{2^{n+1}}

 

上式の大かっこの中を T_{n}とすると、

\displaystyle T_{n}=\frac{1}{2}+\frac{1}{2^2}+\frac{1}{2^{n-1}}

ここで、先ほどと同じように両辺を2で割って引き算するととてもすっきりした形になる。

\displaystyle \frac{1}{2}T_{n}=\frac{1}{2^2}+\frac{1}{2^3}+\frac{1}{2^{n-1}}+\frac{1}{2^n}

\displaystyle \frac{1}{2}T_{n}=\frac{1}{2}-\frac{1}{2^n}

\displaystyle T_{n}=1-\frac{1}{2^{n-1}}

 

これを S_{n}の式に戻すと、

\displaystyle \frac{1}{2}S_{n}=\frac{1}{2}+1-\frac{1}{2^{n-1}}-\frac{2n-1}{2^{n+1}}

\displaystyle S_{n}=3-\frac{1}{2^{n-2}}-\frac{2n-1}{2^n}

これを通分してキレイにすると、

\displaystyle S_{n}=\frac{3\cdot2^n-4-2n+1}{2^n}

\displaystyle S_{n}=\frac{3\cdot2^n-2n-3}{2^n}

 となる。

 

最初にプログラミングなら繰り返し分で簡単に計算できるのにとか言ったけど、このように定式化出来るなら圧倒的に計算量は少なくて済む。どこかで何かの役に立つかもね。