数学 貫太郎ノート 2019/01/20

本日の鈴木貫太郎さん。ちょっと難しそう。


東工大 積分 放物線と直線 面積最小値 高校数学

 

問題:  y=-2x^2+x+1上の1点における接線と y=x^2とによって囲まれる部分の面積の最小値を求めよ。

 

問題の解釈が難しいので、ここでいきなりWolfram Alpha*1に頼ってグラフを描いてみる。

その結果はこちら

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グラフを眺めていると、なんとなく問題の意図が見えてくるような気がする。

動画の鈴木貫太郎さんによると、ここでは"6分の1公式"というものが使えるとのこと。初めて聞いた。ググってみると、他のサイトでも紹介されていたので比較的有名のよう。直線と放物線で囲まれた範囲の面積を求める公式のようです。証明は動画に委ねるとします。

 

6分の1公式

直線 y=px+qと放物線 y=ax^2+bx+cで囲まれた範囲の面積:

 直線と放物線の交点のx座標を α,β (α<β)とすると、

\displaystyle \frac{(β-α)^3}{6}

 

つまりこの公式を使えば、  y=-2x^2+x+1上の1点における接線と y=x^2の交点の x座標 α,βを求めれば、囲まれた範囲の面積を求めることが出来る。

 

接線の x座標を tとおくと、 y座標は -2t^2+t+1、曲線yを微分すると y'=-4x+1となる。 y'は接線の傾き。

 (a,b)を通り、傾きがmの直線は

 y-b=m(x-a)と表せるので、今回の接線は、

 y-(-2t^2+t+1)=y'(x-t)

 y=(-4t+1)(x-t)-2t^2+t+1

 y=(-4t+1)x+2t^2+1

となる。放物線 y=x^2から上式を引くと、

 x^2+(4t-1)x-2t^2-1=0

となり、この2解が6分の1公式でほしい α,βとなるはず。が、動画にある通りここで少しテクニックを使う。上式の解が α,βであれば、 (x-α)(x-β)=0の形にできるので、分解して x^2-(α+β)x+αβ=0より、

 α+β=-(4t-1)

 αβ=-2t^2-1

と表せる。6分の1公式を見ると (β-α)^3の形がある。これを変形して、

\displaystyle (β-α)^2)^{\frac{3}{2}}

 と表しておく。 (β-α)^2=(α+β)^2-4αβであるので、

  (β-α)^2=(4t-1)^2+4(2t^2+1)

  =16t^2-8t+1+8t^2+4

  =24t^2-8t+5

  =24(t^2-\frac{1}{3} t+5

  =24(t-\frac{1}{6})^2-\frac{2}{3}+5

 この式の最小値を考えると、 t=\frac{1}{6}のときに左の項が0となり、最小値 frac{13}{3}が得られる。よって、6分の1公式に当てはめると、

\displaystyle frac{(β-α)^3}{6}=\frac{1}{6} (\frac{13}{3})^{\frac{3}{2}}

 これが面積の最小値となる。

 

1967年の東工大の問題だそうだけど、こんな難しいの受験で出たら解ける気しない笑。

*1:Mathematicaを作っているWolfram Researchによる数学Webアプリ。便利なので、別の機会にこのブログでも紹介したい