数学 貫太郎ノート 2019/01/16

今朝も鈴木貫太郎さんの動画が投稿されていたので、暇なのでノートを取ってみる。


信州大 三角関数 高校数学

 

問題:

 0<α<β<2π

すべての実数xについて、

 cosx+cos(x+α)+cos(x+β)=0

が成立するような α βの値を求めよ.

 

  •  解法

すべての実数について成立しないといけないので、 xに0とか \frac{π}{2}とかを当てはめてみて必要条件を探す、というように攻める。

しかし、上記の数式のままでは分かりにくい。

 cos(x+?)の形をした数式があるので、とりあえず加法定理を適用してみる。

 

※加法定理

 sin(A\pm B)=sinAcosB\pm cosAsinB

 cos(A\pm B)=cosAcosB\mp sinAsinB

 tan(A\pm B)=\frac{tanA\pm tanB}{1\mp tanAtanB}

 

適用すると、

 cosx+cos(x+α)+cos(x+β)

 =cosx+cosxcosα-sinxsinα+cosxcosβ-sinxsinβ

 =cosx(1+cosα+cosβ)-sinx(sinα+sinβ)=0

ということで cosの項と sinの項に綺麗に分かれた。

この式が成立するのには、いずれの項も0となればよいので、

 1+cosα+cosβ=0 
 sinα+sinβ=0 

十分条件となる。 xに0とか \frac{π}{2}とかを当てはめてみても条件として成立することが確認できる。この二つの式を連立方程式として解けば、答えにたどりつけそう。

 

ここで cos^2A+sin^2A=1という 公式が使えそう。これを適用するため、二つの式をそれぞれ2乗してみる。①式は左辺の1を右辺に移行して両辺を2乗、②の式はそのまま両辺を2乗すると、

①'  cos^2α+2cosαcosβ+cos^2β=1 

②'  sin^2α+2sinαsinβ+sin^2β=0

 そしてこの2式を足すと、

 cos^2α+sin^2α+2cosαcosβ+2sinαsinβ+cos^2β+sin^2β=1 

 2+2cosαcosβ+2sinαsinβ=1

  cosαcosβ+sinαsinβ=-\frac{1}{2}

 左辺は cosの加法定理の形になっているので、

   cos(α-β)=-\frac{1}{2}

最初の条件で α<βとなっていたので、あえて

   cos(β-α)=-\frac{1}{2}

としておく。

 cosx=-\frac{1}{2}ということは、斜辺の長さ1,底辺が \frac{1}{2}となる角度なので、

③   β-α=\frac{2}{3}π, \frac{4}{3}π

となる。

 

一方で、①、②式を別の式変形してみると、

①''  cosα=-1-cosβ 
②''  sinα=-sinβ 

これを改めて cos^2A+sin^2A=1の形に代入してみる。

 (-1-cosβ)^2+(-sinβ)^2=1

 1+2cosβ+cos^2 β+sin^2 β=1

 1+2cosβ+1=1

 cosβ=-\frac{1}{2}

よって、さきほどと同じで、

④   β=\frac{2}{3}π,\frac{4}{3}π

となる。

 

③と④から、

 β=\frac{2}{3}πの場合、

 \frac{2}{3}π-α= \frac{2}{3}π, \frac{4}{3}π

 α=0, -\frac{2}{3} π

となってしまい、最初の条件 0<α<β<2πと不一致のため成立しない。

 β=\frac{4}{3}πの場合、

  \frac{4}{3}π-α=\frac{2}{3}π, \frac{4}{3}π

  α=\frac{2}{3}π, 0

となる。最初の条件から  α=0はありえない。

よって答えは、

  α=\frac{2}{3}π, β=\frac{4}{3}π

となる。

 

あー結構時間かかった。