数学 貫太郎ノート 2019/01/16
今朝も鈴木貫太郎さんの動画が投稿されていたので、暇なのでノートを取ってみる。
問題:
すべての実数xについて、
が成立するようなとの値を求めよ.
- 解法
すべての実数について成立しないといけないので、に0とかとかを当てはめてみて必要条件を探す、というように攻める。
しかし、上記の数式のままでは分かりにくい。
の形をした数式があるので、とりあえず加法定理を適用してみる。
※加法定理
適用すると、
ということでの項との項に綺麗に分かれた。
この式が成立するのには、いずれの項も0となればよいので、
①
②
が十分条件となる。に0とかとかを当てはめてみても条件として成立することが確認できる。この二つの式を連立方程式として解けば、答えにたどりつけそう。
ここでという 公式が使えそう。これを適用するため、二つの式をそれぞれ2乗してみる。①式は左辺の1を右辺に移行して両辺を2乗、②の式はそのまま両辺を2乗すると、
①'
②'
そしてこの2式を足すと、
左辺はの加法定理の形になっているので、
最初の条件でとなっていたので、あえて
としておく。
ということは、斜辺の長さ1,底辺がとなる角度なので、
③
となる。
一方で、①、②式を別の式変形してみると、
①''
②''
これを改めての形に代入してみる。
よって、さきほどと同じで、
④
となる。
③と④から、
の場合、
となってしまい、最初の条件と不一致のため成立しない。
の場合、
となる。最初の条件から はありえない。
よって答えは、
となる。
あー結構時間かかった。
数学系youtubeが面白い ~0!=1の理由について~
なんとなくwebを漁っていたときにふと目に留まった数学系のyoutube。理系心をくすぐられ、気づけば3時間ほど見入ってしまった。ひとまずご覧ください。
こちらは数学系youtuberの鈴木貫太郎さんによる動画。最初はなんだろうこの一見普通のおじさん(失礼)と思ったが、とても説明がわかりやすくて内容がスッと頭に入ってきた。学生のときにある程度習ったはずが完全に忘我の彼方だった順列( )とか組み合わせ( )の復習にもなった。
ちょっと復習がてら、そしてブログでの数式の書き方の勉強がてら、動画の内容を腹落ちさせつつノートにまとめておきます。
- まずについて
とは、つまり1から整数nまでの数字を順番に掛け算していく、という意味で使われる数学の記号。
であれば、であればという具合に。
よってであれば、
と表せる。便利そう、だけど何に使うんだろう・・・となるが、実は例えば順列や組み合わせの計算をするときに使える。
今回の鈴木貫太郎さんの動画は、のの場合についてのお話。通常、として定義されるのだけれど、なぜ1なのか。
- nからkを選ぶ順列を考える
順列とは、例えば5つの中から3つを順番付きで選ぶ場合の組み合わせが何通りあるか、というもの。この場合、最初の1人は5通り、2人目は4通り、3人目は3通りとなるので、
となる。実はこれ、階乗を使うとスッキリと表現できる。まず、Pの左側の数字の階乗を考えると、
ここから、の部分を割ることでが得られるので、
ここで、この分子は順列 の左側の数字から右側の数字を引いた値の階乗になっている。よってこれを一般化すると、
と表される。
- nからkの組み合わせを考える
順列では例えばA,B,C,D,Eの5つからA,B,Cの3つを選ぶとき、{A,B,C}, {A,C,B}, {B,A,C}, {B,C,A}, {C,A,B}, {C,A,B}をすべて別のものとして扱ったが、組み合わせの場合は同じものとして扱う。3つを選ぶときに同じものとして扱えるのはと表現できるので、これを順列から除した値が組み合わせとなる。
これを一般化すると、
と表される。
- となる理由
ここで、ようやくとなる理由について。
まず順列において、5つから5つを選ぶことを考えた場合、答えは
になってほしい。しかし、先ほどの公式に当てはめると、
分子が欲しい答えなのだが、分母が0!となる。
同様に、組み合わせにおいても、5つから5つ選ぶことを考える。5つから順番を考えずに5つを選ぶ、5人しか部員のいないバスケ部でスタメンを選べと言われたら、全員出場する1通りチーム編成しかない(ポジションは別として)。よって答えは1になってほしいのだが、先ほどの公式に当てはめると、
となり、またもや分子に欲しい答えが、分母に0!が登場する。
と いずれの場合も、もしだったら答えが無限通りになってしまう。
となっていれば非常に都合良く答えが得られる。
というわけで、が1と定義されました、とさ。
このように、都合が良いように定義するということが数学の歴史の中では度々行われてきたんだろうね。なお、上記動画の最後に、「0の階乗を1と定義しておくと他にも良いことが」と鈴木貫太郎さんがおっしゃっており、それは自然対数の底eの解説動画で行われるとのこと。
にしてもこの鈴木貫太郎さんというお方はいったい何者なんでしょうね。どうやら毎朝6:30くらいに数学の問題の解説をyoutubeにアップしているもよう。気付けば毎日のように視聴してます。もはやファンです。このブログで鈴木貫太郎の動画のノートをとる、というのもいいかも。しかし毎日は無理だ。